い草|いかご・瓶かご・鍋敷き
須浪亨商店
すなみとおるしょうてん
い草の縄を織って、かごにする。茶屋町に残った買いもののかご「いかご」
基本の情報
| 拠点 | 倉敷市茶屋町早沖[s1] |
|---|---|
| 運営 | 早沖〇百花莚 須浪亨商店(屋号。〇百は丸囲みの百)[s1] |
| 創業 | 1886年(明治19年)[s2][s3] |
| つくり | 茶屋町の工房で、い草の縄を織機で織って生地にし、縫い合わせてかごにする[s2] |
| 公式サイト | maruhyaku-design.com |
代表的な商品
| いかご | 側面は織機で織り、底は手で編む買いもの用のかご |
|---|---|
| 瓶かご | 瓶を運ぶためのかご |
| 鍋敷き |
買える場所
| 取扱店 | 白神商店(倉敷市本町)[s1][s4] |
|---|---|
| 取扱店 | 倉敷民藝館(倉敷市(美観地区))[s6] |
| 取扱店 | 日本民藝館 ミュージアムショップ(東京都目黒区)[s4] |
買いもの用のかごに、い草を使う。いまでは珍しく聞こえるが、倉敷の茶屋町のあたりでは、戦後しばらく普段の道具だった[s8]。闇市へ提げていくことから「ヤミカゴ」と呼ばれ、1970年ごろ、樹脂のかごが出てくると急に廃れた[s8]。その形をいまもつくっているのが、茶屋町の須浪亨商店だ[s2]。なぜ、この家には残ったのか。
花ござの家が、かごを織るまで
茶屋町のあたりは、江戸時代から進んだ干拓でできた土地で、かつては日本有数のい草の産地だった[s2]。明治時代には、茶屋町生まれの磯崎眠亀が花ござの「錦莞莚」を生み、花ござは重要な輸出品になった[s2]。須浪家が畳表の製造販売を始めたのは1886年[s2]。昭和40年代には、3代目の亨さんと妻の榮さんが花ござの製造販売を始めている[s2]。
ところが同じ昭和40年代、この土地のい草の栽培は急に衰える[s2]。水島コンビナートの建設で人手の賃金が上がり、宅地化で土地の値段も上がったためだ[s2]。
家業をつないだのは、かごだった[s2]。4代目の伸介さんが急に亡くなったあと、いまの5代目から見て祖母にあたる榮さんがいかごづくりに専念して家業を続けた[s2]。いまかごをつくるのは、5代目の須浪隆貴さん[s1]。20歳で職人を志した[s2]。
縄を糸にして織る
いかごは、編むより先に織る[s2]。材料は、畳表には使えない短いい草をねじって縄にした「イ縄」だ[s2]。このイ縄を、先代から受け継いだ織機に掛けて生地を織る[s2]。生地どうしをイ縄で縫い合わせ、持ち手を付ければできあがる[s2]。底は手で編む[s7]。
織機は湿気があると動かないので、天気予報を見ながら仕事をしている[s7]。手づくりなので、1日に数個しかつくれない[s1]。
形と、色の変わり方
形はひとつではない[s2]。底を広げたもの、持ち手を長くして肩に掛けられるようにしたもの、瓶を運ぶための瓶かご、鍋敷きもある[s2]。A4 の書類が入るように大きさを整えたものもある[s2]。
色は変わっていく[s1]。つくりたては淡い緑で、年月とともに茶色になる[s1]。使うほどに艶も増す[s2]。持ち手が傷んだら修理を頼める[s5]。持ち手だけなら修理代は基本的にかからず、送料は買い手の負担だ[s5]。ただ、店は自分たちのかごを「一生モノ」ではないと考えていて、買い直せる値段を保ちたいとしている[s5]。長く使う道具であると同時に、使い切ってまた買う道具でもある、ということだろう。
どこで手に取るか
公式サイトに通販のページはなく、問い合わせは電話かフォームで受けている[s9]。かごを扱うのは各地の民藝店や器の店で、公式サイトに一覧がある[s4]。倉敷なら、本町の白神商店や倉敷民藝館で見つかることがある[s1][s4][s6]。ただ、一覧には更新日が書かれておらず、古い情報の可能性もあるので、遠くの店へ出かける前には、扱いがあるかを確かめておきたい[s4]。
最初の一つは、いちばん出番の多い買いもの用のいかごでいい。緑が茶色に変わっていくのを、毎日の買いもので見ていくことになる。
あわせて読む
出典
掲載内容の確認日:2026年11月4日(以降に変わっている場合があります)
- s1早沖〇百花莚 須浪亨商店(倉敷の老舗、2015年9月)(倉敷観光WEB(倉敷市観光情報発信協議会)、2026年11月4日閲覧)
- s2特集33 須浪亨商店(クラシキ文華、2020年9月30日)(倉敷市、2026年11月4日閲覧)
- s3PRODUCTS(須浪亨商店、2026年11月4日閲覧)
- s4retailer(取扱店一覧)(須浪亨商店、2026年11月4日閲覧)
- s5修理について(須浪亨商店、2026年11月4日閲覧)
- s6「民藝」のまち倉敷(2026年4月27日)(公益社団法人岡山県観光連盟、2026年11月4日閲覧)
- s7新時代の作り手を訪ねて。いかご職人・須浪隆貴(2021年2月2日)(BRUTUS(マガジンハウス)、2026年11月4日閲覧)
- s8いかごについて(公式ブログ、2015年7月2日)(須浪亨商店、2026年11月4日閲覧)
- s9お問い合わせ(須浪亨商店、2026年11月4日閲覧)